地球は少し傾いているから・・・・
北半球では北緯20度あたりから北の地域では、顕著に四季と長日短日の変化がある。
ランはこの地球のリズムに合わせて生長したり、休眠したり、
花を開かせたり、実を結んだりするものが多い。
このようなランにとっての「秋」は、きわめて重要な季節である。
簡単に言えば日本原産の殆どのラン。
洋蘭ではヒマラヤから中国、台湾原産の一部のラン。
秋の彼岸・・・・秋分の日。
この日を境にして・・・・上記のランにとっては短日、低温へ移行する。
これにヒマラヤでは雨期から乾期への移行が加わる。
過酷な季節への移行である。
種子は完熟を急がなければならない。
花芽を準備しなければならない。
冬を生きるための養分を蓄えなければならない
前記したランでは、この時期は以上の三つを同時に行なわなければならない。
このようなランの栽培に於いては、8月の潅水のところで記したように、
日本列島は南北に細長いから、地域によって大きな差があり、
秋の到来には約1ケ月前後の時間差がある。
8月下旬の潅水を見る
秋根腐れしないためのSUGOI-neの潅水
段々温度が下がり最低温度が10℃近くになると
この時期は昼夜の温度較差が10から13度になり、
夜露、朝露、朝霧が発生する。
外に出したランには、この露が葉を濡らす。
ランは・・・この露が大好き。
この時期に多湿にすると根腐れを起こすので「ペクチン」を調べること!!
プラ鉢、ポリ鉢、素焼鉢では乾燥に大きな違いが出る!!
素焼鉢は乾燥過ぎるので注意する必要がある。
外に出した鉢、温室の鉢では異なるので、ペクチンを調べること。
1
前記した野性らん、ヒマラヤのラン
夜露、朝露を葉から吸収するようになる。
したがって、時々雨が降った場合は、殆ど潅水しないで済む場合もある。
「乾燥したら潅水」でよい。
乾燥とは根に「ペクチン」が出た状態である!!
SUGOI-ne植えでは、7から10日潅水、雨がなくても・・・・素晴らしく出来る。
一週間に一度程度充分な潅水でよい。ポリ鉢、プラ鉢。
多湿は厳禁!!
ヒマラヤ系のランは、多湿にするとバルブは肥らない!!
Cymbidium、セロジネ、デンドロ・・・・多湿は厳禁中の厳禁。
2
カトレア・・・・などの雨期乾期が自生地のラン
乾燥したら潅水。ペクチンを見る。
3 コチョウラン、バンダなどの熱帯雨林のラン
乾燥したら潅水。ペクチンを見る。
バルブの持たないラン。
日本の野性らんの中の地生ランは。
少し乾燥したら潅水。
一週間に一度程度充分な潅水でよい。
注意
鉢の種類によって乾燥までの時間に大きな差がある。
あくまでも根の「ペクチン」の発現を見たとき乾燥を考えること。
鉢の底まで乾燥させて充分潅水が原則であるが、
バルブの持たないラン、エビネ等の野性らんでは、ここまで乾燥させないで、
その前に潅水を行なうこと。
SUGOI-neで柔らかく植えた場合は、乾湿の大きな差が出る。
ペクチンを観察して、潅水してください。
日除けを取る程度と時期。
潅水と密接な関係がある。
この時期を間違うと株を弱らせ、翌年「ナンプ病」に罹る原因を作ることになる。
宇井清太のように
紫外線カットフィルム。
ダイオネット40% 一重
不織布 一重
このような場合は不織布 一重を10月はじめに除く。
取り除いても・・・・葉の温度が高くならなくなった時期まで待つ!!
早く取り除くといことは・・・洋蘭の、
自生地に当てはめて考えると、一斉に大木の葉が「落葉」して日が当たるようになったと同じ。
こんな劇的な「落葉」は照葉樹林でも針葉樹林でも起こらない。
日本の山の広葉樹でも落葉して枝が裸になるのは、
10月、11月である。
したがって、日除けを取り除く時期は、相当注意が必要である。
温室に取り込む時期
これも潅水と密接に関係する。
外と温室の季節の差は約1ヶ月ある。
つまり10月上旬に入れた場合は、温室内は9月上旬に逆戻りする。
葉の温度が高温になる事もある!!
微妙に鉢を取りまく「微気象」が違ってく!!
この「微気象」の違いが、肝心なところ。
湿度計、温度計を見たところで・・・・ランを上手に作れない!!
ランが感じた湿度、温度でないから・・・・・。
ここが一番重要なこと。
温室の中に温度計、湿度計を置いているようでは、
ラン作りは・・・・まだまだである。
葉の薄いランと厚いラン
ランにはリカステ、エビネなどの葉の薄いものと、
カトレアのように厚いもの、
オンシ、オドント、セロジネ、デンドロのように中間のもの、
パフィオ、シンビのように、同じ属でも、自生地が広い地域になる場合は、
葉の厚さに大きな違いがある。
この葉の形状と光の質は密接に関係する。
光量ではなく「光質」!!
潅水まで関係してくる。
つまりランの自生地は光の「争奪戦」が行なわれている。
喬木のある森とない地帯では・・・・光が異なる。
霧が深いところと・・・・時々霧が晴れる・・・処では異なる。
葉の形状から・・・・自生地の条件を見抜くことである。
当然カトレアとCymbidiumでは光が異なる。
だから・・・・全く異なる葉の形状になった!!
カトレアは1、2枚の葉で花が咲ける。
Cymbidiumは6から12枚必要。
一口に言えば・・・・Cymbidiumはカトレアより6倍・・・難しい。
12枚で花を咲かせるCymbidiumは・・・・趣味家では殆ど無理。
つまり、栄養生長期間の日数と葉の枚数の関係である。
180日で1枚なら簡単。
180日で10枚12枚は・・・殆ど絶望的。
こういう見方からすると、
エビネのように春に一度に全部の葉が出るランは・・・・至極簡単である!!
リカステ、セロジネなども同じ。
次々に葉を出すランと、一度に出すランでは・・・・技術が異なるということ。
光と潅水が異なる。
何故、そのように進化したかを考えるのがラン栽培のレベル。
秋は・・・・その結果が出る季節。
根ぐされを起さない!!
根腐れの原因
ランの根は空中では根腐れは起こらない。
ペクチンが出た状態では根は腐らない。
これが原理原則である。
一日の中にペクチンが出ている時間と、根出ていない時間。
この状態が交互にあれば根は腐らない。
要するにランという植物は、乾燥にはシャボテンよりも強いかも知れない。
1 コンポスト
2 地球のリズムと合わない潅水
短日条件下での多湿
低温条件下での多湿
3 多湿
4 肥料
5 病気
ランが根くされを起こす原因は以上のことが考えられます。
1 コンポストの問題
ランつくりの根本は「コンポスト」にある。
ランつくりの歴史はコンポストの歴史でもある。
ラン栽培の何百年の間に、考えられるものは殆ど全て試作されてきた。
そしてSUGOI-neが夢の究極のコンポストとして登場した。
SUGOI-neによってペクチンを観察すれば殆ど根腐れの問題は解決する。
しかし2から5の項目を勉強して、正しく管理栽培しなければ、
SUGOI-neで栽培しても素晴らしい成績は得られない。
自生地におけるランの根は、ラン菌の生息エリアに横に伸びてゆく。
ランは根が腐るような条件のところには、最初から伸びてゆかない!!
乾期の時の湿気、雨期の時の湿気。
その両方がランに適する場所が自生地である。
その両方をカバーしたコンポストは、これまでなかった!!
鉢というのは自然から隔離するための容器である。
だから、栽培者が自生地の条件を再現しなければならない。
再現できない人は・・・・枯らす。
コンポストは変質する。
物理的、化学的性質・・・・・・。
この変質が湿気に関係する。
乾燥速度に関係する。
ペクチンを知らない人は「過乾燥」「多湿」に大きく振れる。
ランが水を欲しがらない時まで、永く保水するようなコンポストではだめ。
ラン菌の生息出来る条件のコンポスト。
これが理想である。
2 地球のリズムと合わない潅水
この問題がランの種類によって大きな原因になる。
要するにランが水を欲しがらないときに、潅水してはならないということ。
四季の変化のある地域に自生するラン。
Cymbidium属、パフィオ属、デンドロ属・・・・など
この中には短日条件、低温条件が始まる初期に敏感に反応して、
他のランでは平気なのに直ぐ根腐れを起こすものがある。
季節を先取りするものがある!!
最低温度と水分の関係は、
種、品種によって大きな差があり、低温限界温度での栽培を行なって見る、
この違いが理解出来る。
先達の長年の経験から、本にかかれているようなランの種類の大まかな温度が出てきた。
品種によって大きな差があるから観察あるのみ。
問題は短日条件に敏感に反応する場合である。
常識的には秋の秋分の日が昼夜12時間づつである。
秋分の日が短日条件ではないはず。
でも、Cymbidium トレシアヌムは、この秋分の日の前でも、
ちょっと多く潅水すると根腐れを起こす。
最低温度15℃以上でも起こる場合がある。
東洋ラン界が、コンポスト、鉢に細心の注意を払うのは、
Cymbidiumというランは、地球のリズムに敏感に反応することを知るからである。
3 多湿
これには二つあります。
イ 栄養成長期の多湿
コンポストが良く新しい水を潅水しての多湿では、殆ど根腐れは起こらない。
新しい水には「酸素」が含んでいるから。
雨水も同じ。
この時期でも根腐れが起こる場合は、殆どコンポストの問題。
SUGOI−neでは問題ない。
ロ 休眠期、乾期の多湿
ランが休眠するのは温度が低い、雨が降らないために行なう。
この時期に、自然界にないような多湿にする潅水は、
当然根が腐る。
潅水というのは雨の替りに行なう作業だから・・・。
自生地で雨が降らない時期に潅水すれば、ランから見れば天変地異の大豪雨。
耐えられない!!
ランが水を要求しない時には潅水しないこと。
潅水した水が永く残らないこと。
多湿では空気に根が触れなくなる・・・・。
4,5はあまりに当然なのでカット。
SUGOI-neは根腐れが起きにくいように作った
多湿になりにくい。
SUGOI-neの固さは、余分の水が鉢内に溜まる空間がない。
SUGOI-neの毛細管現象は鉢底と上部が同じ湿度にする。
空気が鉢の隅々までゆきわたる。
だから潅水が多くて失敗することは殆どない。
SUGOI-neの場合は「乾燥」に注意することである。
SUGOI−neの潅水
以上のことから、SUGOI−ne栽培では次のように潅水すれば良いことになる。
9月上旬の白露の季節になると朝露が降りるようになるから、
8月のような夕方の潅水は中止。
朝7時までに潅水を行なう。
必ず根のペクチンが出てから充分行なう。
9月中旬までは鉢の上半分までペクチンが出たら充分潅水。。
鉢底が少し湿っている状態。
秋分の日頃から春まで鉢底までペクチンが出てから潅水。
鉢底まで乾燥している状態。
前記の短日条件に敏感なものには「秋雨」は当てない!!
蘭にはこの時期二つに分かれる
1 鉢底の穴から出るほどの潅水してよいラン。
2 鉢底から出るような潅水では根腐れを起こすラン。
このようなランには「夜露」「朝露」の湿気を与える。
当然、バルブのあるランと、バルブを持たないランでは、
バルブの持たないランは細かい湿度管理が必要になる。
Cymbidiumはバルブを持っていても・・・・非常にデリケートだから・・・難しい。
ここのところをラン作りは誤解している!!
ランの中で最もデリケートなのがCymbidiumである。
カンラン、スンラン、中国奥地の業界人のプライドが・・・・この季節になると理解出来る!!
鉢物になっているCymbidiumは・・・・農業の品種だから・・・・少し鈍感。
でも、その品種を20年、30年継続栽培するとなると・・・・
同じ鉢に毎年花を咲かせるとなると・・・・Cymbidiumほど難しいものはない!!
ラン作りはCymbidiumに始まってCymbidiumに終る。
まさに至言である。
だから、この季節になると、Cymbidiumの花芽を株元に発見した喜びは、
他のランでは味わうことが出来ないものがある。
「頂芽」が花になるランとCymbidiumの違いである。
「頂芽」が花になるランの場合は、花芽の発見はCymbidiumのような感動はない。
Cymbidiumというランは不思議なランで、
前日までは花芽がなかったのに、翌日の朝見ると・・・・出ている!!
それで嬉しくなって潅水すると根腐れ!!
親切の押し売りはイケナイ。
同じラン作りでありながら・・・・
キリスト教文化の洋蘭のランと、東洋思想の東洋ランの大きな違いは、
自然支配か自然同調かになる。
それにダーウインの進化論まで加わるから・・・・・
ここでかいている宇井清太の書き方は「ランから見た」人間の栽培という・・・・観点。
人間から見れば「採集」も、ランから見れば「拉致」。
人間から見れば「潅水」も、ランから見れば「雨」。
人間から見れば「日除け」も、ランから見れば「葉の繁り」。
人間から見れば「肥料」も、ランから見れば・・・・。
この観点から「根腐れ」を考える。
ラン作りの失敗は秋に始まる!!
秋の密かな気候の変化と、ランの身体の変化、気配に気付かないと、
そのまま冬に突入し・・・・
秋の変化、気配に気付かない人は、
春の変化にも気付かないから・・・・・殆ど失敗になる。
SUGOI−neで植えたからイイというものではない。
SUGOI−neはあくまでも根本である。
深い知識、豊富な経験、確かな技術が必要である!!
それを持っていない場合は「我流」を入れないで、
素直にマニュアル通りにすることである。
でも、人間、初心者ほど・・・・色々作りたいもの。
コワイモノ知らず・・・。
2007年からの団塊の世代の定年。
水かけ三年というけれど・・・・・・。
SUGOI−neなら作れる!!
教えるのも簡単!!
ペクチンが出たら潅水でイイ。
ペクチンの勉強はここ